PC9801関連


手持ちの9801BX3の修理備忘録的なものです。おそらく実機修理で3Dプリンタ使って部品作って、なんてのもあと10年もしないうちにや る人がいなくなるでしょうから、やる人がいそうなうちにデータ公開します。使う人はあくまで個人利用にとどめてくださいね。
FDDの樹脂部品はFD1148Tを基に作っていますが、1148/1138シリーズ共通で使えそうです。未確認のため人柱募集。


・WaveBlaster互換MIDIドーターボード

DREAM SAM2695 WAVEBLASTER互換 回路図
手持ちのサウンドカードQvision WaveStarにWaveBlaster互換のコネクタがついていたのでここに挿せるドーターボードを探していましたが、ヤフオクでも平気で5000円とか超えてくるの で、AliExpressやe-bayで探してみたところ、DreamBlaster S2と言うのが新品で買えることが判明したのですがこれまた7000円くらいして高いうえに、迷っているうちに終売になってしまいました。

このボードが積んでいるのが、フランスDream社のSAM2695というMIDIチップで、GM MIDI準拠エフェクトなしで同時64音、エフェクトありで38音での演奏が可能で、チップ自体は3.3V駆動ですがシリアルMIDIポートは5Vトレラント入力が可能 と、古い仕様のPCにつなぐことを前提に作られたようなチップであることがわかり、AliExperssで1個数百円で入手可能と言うことで購入してボードを 作ってみることにしました。(注・2022年現在半導体不足の便乗で1個1000円近くまで値上がりしています。)

このDream社のMIDIチップと言うのは、MIDIがまだ音楽演奏手段として元気だったころ、これのご先祖様に当たるチップがサウンドカードなどに詰ま れているものがありましたが、音源データがしょぼいのであまり評判が良くなかった覚えがあります。
当時、メモリ技術が今より未熟で大容量ROMはまだ高価だったので、廉価な音源チップに高音質なデータを積めなかったのでしょう。

とりあえず基板加工機で基板を起こし、部品を実装してみましたが、QFNパッケージでチップ底面ベタGND有り、ピン間隔0.2mmのハンダ付けはなかなか難儀で した。老眼もあり、ずれてしまったものを剥がしてハンダし直す過程でパターン剥がれやら加熱しすぎで焼損やらでチップ2個、基板4枚が消費されました。

完成したものを挿して鳴らしてみましたが、艶っ ぽさはさほどないけれど耳が疲れない感じの音な気がします。強いて言えば昔売ってたCASIOの数万円のMIDIキーボードとかに近いかなぁ。昔のしょぼいDreamチッ プよりはだいぶ進化してますね。

手持ちの98ゲーだとLeafの雫や痕、フォア・ナインのGAOGAO3とカナンを鳴らしてみましたが、LeafのはWindows CD版の音に結構近い感じで鳴ってくれます。フォア・ナインのは、FM音源よりも分厚い音だけどちょっとダルさが増す感じに。
フォア・ナイン、会社が存続していれば知り合いのつてでMIDI演奏データHPでのっけてもいいか?って聞けたのですが、後継会社も休眠状態のようなので。
著作権関連、個人が会社に許諾求めてもまず普通返事くれませんから、ここに演奏データ置くのはやめておきます。

左に、今回作った基板の回路図を載せておきます。
私は音がいいとか悪いとか評価できるような耳も、音声関連のアナログ回路設計技術も持ち合わせていないので、基本データシートの文章から起こした「これがおそ らくリファレンス回路」って感じのものです。
基板パターンのガーバーデータも公開可能ですが、via周りなどMITS基板加工機用に特化した設計が含まれているので、使える人はほぼいないでしょう。
元のパターンデータはかなり古いEagleと言うCADで書いています。
俺は作れるからデータくれ!っていう人はBBSにでも書いてください。

サウンド関連の話でちょろっと。
このWaveStarというサウンドカードをいじっていて、部品を外したり付けたりしてたわけですが、その中でFM音源のDACからのアナログ音声ラインを追 いかけている最中に、CRのローパスフィルターが間にちょこちょこ挟まっているんですね。使われているICチップのリファレンス通りのものはまぁいいとして、 オーディオ好きからは嫌われる積層セラミックコンデンサが各所に使われているわけですが、これが謎な数値のローパスフィルターがありまして、基板から外してテ スターで測定してみると、可聴域狙ったローパスフィルターを構成してないんですね。
これを、ごく最近製造されたB特の積層セラミックとチップ抵抗使って、カットオフを17kHzあたりに設定して組み直してやると、うん、まぁあまり違和感なく 聞けるわけです。
で、何度か取り外したオリジナルの数値に合わせて最近のもので組んでやると、ギンギン言って聞けたものじゃない。
ああ、これ当時のコンデンサの特性を現物合わせで設定したものなのかと。
大きさと容量的に、F特レベルのものしかなかったのかもしれません。
逆に言うと、オーディオ界隈でよく言われる「セラミックコンデンサを使ったものは聞けたものじゃない」っていうのは、この積層セラミックコンデンサの特性がま だまだ悪かったころにできた定説なのかなと思いました。
そう思ってネットを調べてみると、やはり実際に最近の積層セラミックを使って本当に音が悪いのか実験してるサイトもあって、言われるほど悪くない、って評価ま で出てるんですね。
オーディオ機器で積層セラミックを使う場所も、カップリングやら電源周りやらどこに使っても音が悪くなるという方も多くおられますが、最近のもので再評価して みたら意見が変わるかもしれません。



警告:これら本ページ記載の3D データを利用して発生した全ての事象について、全ての責任はデータの利用者が負うものとします。
   また、このデータを利用しての販売目的PCの修理への利用、および出力物・3Dデータそのものの販売・無許可での転載・頒布を禁じます。
   あくまで個人が、手持ちの愛機のみの修理に利用することを御誓約の上、ご利用ください。

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     If you fail to keep these promises, you will be cursed.

   

・FDD NEC FD1148T シャッター
 Download:光造形3Dプリンタ用stlファイル

  注:サポートはstlファイルに含まれていますのでそのままスライスソフトにかけて出力してください。

FD1148T シャッター&イジェクトボタン
使用機材:FREECAD、ANYCUBIC PHOTON ZERO
オリジナルはシャッターのスプリング部分が弱いため、構造を変更しています。
0.2mm径のピアノ線を加工してスプリングを作成してください。
爪楊枝やマイクロドライバーの軸に2回転ほど巻き付けてから曲げるだけです。
バネ解放時の開きが90度より気持ち開く程度になるよう巻きを調整してください。
巻く際にバネ長が2mm程度になるように隙間を開けて巻いてください。
隙間なくバネを巻いてしまうと反対側の軸が抜けてシャッターが外れやすくなります。
軸は少し長めに作ってあります。上カバーをはめて開閉が渋い場合は、軸をやすりで削って短くし、カバーとの摩擦を減らしてください。
軸にグリスを塗る場合はシリコングリスかグラファイトグリスを使用してください。
シャッターに関しては、オリジナルが梨地なのできれいに出力出来たら表面を紙やすりで均す必要はなさそうです。
なんで時間のかかる縦方向で設計しやがった!という文句は受け付けませんw
うちの機械じゃ小さくてこれでしか出力できなかったので。
FEPフィルムと平行に広い面を作ると、最後に剥離した面がつやつやの仕上がりになる代わりに裏側はサポートだらけのあばた面で歪みやすい、と言うのもあります。
なにぶん生まれて初めて触る3Dプリンタかつ、3DCAD処女作なので、不都合がありましたらご容赦を。

FD1148T 自作シャッタースプリング AFD1148T 自作シャッタースプリング BFD1148T 自作シャッタースプリング CFD1148T 自作シャッタースプリング D


・FDD NEC FD1148Tイジェクトボタン
 
Download:光 造形3Dプリンタ用stlファイル
注:サポートはstlファイルに含まれていますのでそのままスライスソフトにかけて出力してください。
FD1148T イジェクトボタン
イジェクトボタン出力そのまま、シャッターレジン色味調整なしホワイト。


FD1148T イジェクトボタン 研磨後
出力後、紙やすり、ラビングコンパウンドで鏡面仕上げ。イジェクトボタン、シャッター共にレジン色味調整あり。


使用機材:FREECAD、ANYCUBIC PHOTON ZERO
高硬度なレジンでも割れにくいよう、爪を上げたときに爪全体がたわむ構造に変更しています。
出力には折れずにたわむABSライクレジンの方が丈夫にできると思います。
爪側面のサポート切り離しに片刃のプラ用ニッパが必要です。
使用する3Dプリンタにもよりますが、側面は見ての通り紙やすりとコンパウンドでの仕上げをする必要があります。
サポート切り離しは2次硬化前に行ってください。2次硬化後だと切り離しの衝撃で割れるかもしれません。
これもなんで縦方向で…という疑問にはですね、単純にサポート切り離し跡が表に出ないようにです。
余談ですが、ToAutoの白と黒レジンを20:1くらいで混ぜて日光で2次硬化させると程よく黄ばんで無塗装でそこそこ馴染む色合いになります。
写真ではフラッシュの関係でだいぶ黄色く見えますが、現物は暗くした感じのクリーム色です。
イジェクトボタンは出力2次硬化後、表に出る部分を紙やすり400、600、1000、2000、4000あたりで磨いて艶出しシリコンをかけるとオリジナル に近くなります。
出力時に周辺を囲うように円筒を作っておくと出力時にFEPフィルムから剥がれる時の姿勢が安定してボタンの背や腹に段差模様が出難くなるのですが今回そこま でやっていません。
ベースから剥がすのと洗うの大変なのでw


・9801BX3 電解コンデンサ一覧
9801BX3 電解コンデンサ配置

注:10uF以外に固体ポリマーコンデンサを使うとICの起動遅延時間が狂い起動が不安定になることがあります。
  10uFのコンデンサは積層セラミックコンデンサに置き換えが可能です。
  置き換えて動作が不安定になった場合は、15~22uFに容量を変更してください。
  この時代のマザーボードは基板自体が経年劣化でへたっているので、温調ハンダこても自動ハンダ吸い取り機も無しにコンデンサ交換に手を出すと大抵スルー ホール破壊かパターン剥がれ で詰みます。
  スッポンハンダ吸い取り機やハンダ吸い取り線で作業できるのは、手慣れたベテランさんでも難易度が高いので機材の無い方は手を出さないことをお勧めしま す。

・電源 DELTA DPS-102EB(PU739)電解コンデンサ一覧
DELTA DPS-102EB(PU739)電解コンデンサ配置

注:電源内部の電解コンデンサ交換には必ず電源用低ESR電解コンデンサを使用してください。
  固体ポリマーコンデンサは低ESR過ぎて発振することがありますので使用しないでください。

  起動時のピポ音が鳴ったり鳴らなかったりする場合は、電圧が高すぎるか、本体の遅延用コンデンサの容量が抜けて足りていない可能性があります。

  この電源ユニットは、ほぼAT電源そのものです。
  修理しきれなかった場合、入手可能であればサイズの合うAT電源を購入して必要のない出力線(PowerGood、-5V)をカットしての流用が可能です。
  また、ATX電源のパワーオン信号を本体の電源スイッチでON/OFFできるように接続を変更することで、ATX-AT変換ケーブルが入手できればサイズの合 うATX電源を流用する こともできます。
  Pentium世代の98シリーズは電源の出力に遅延がいるものがあるようなので、全てが簡単な改造でAT・ATXに置換可能なわけではありません。
  また、現在のPCと違い、486世代までの9801は+5V偏重の電源なので、+5Vの容量が大きなものを選ぶ必要があることに注意してください。
  ATX-AT変換ケーブルはまだAliExpressで購入可能です。(2021年現在)


・メモリ
  BX3のSIMMは古いMacintosh用のFPM 60ns ノンパリティ仕様のものが流用できます。(SIM326型番のものなど)
  1枚32MBまで、合計で最大64MBまで搭載できます。
  Yahooオークションなどで時折90年代の68040搭載Macintosh用のメモリが大量出品されることがあります。
  起動時にメモリカウントまでたどり着けない場合はあわてず騒がず、SIMMを外してパーツクリーナーで端子を磨き、エアダスターでソケットの埃を吹き飛ば して何度か抜き差ししましょう。
  SIMMソケットへの取り付けは慎重に。
  経年変化で樹脂部品はいつぽっきり折れてもおかしくありません。


・HDD交換
  BX3には接続できるHDDに容量4.3GBの制限があり、これを超えるものを接続すると起動すらできません。
  また、E-IDE規格以前のIDEドライブはATAコマンドへの対応がばらばらでこれまた相性問題の嵐でまともに接続できません。
  そして、正式対応しているドライブは、もう25年以上も前の代物です。
  スピンドルがギンギン音を立てて今にも壊れそうなものばかりです。
  一応、NECやサードパーティの保証のないAT互換機用で、4.3GB容量制限の壁ギリギリで98でもほぼ問題を起こさないのは、 WesternDigital社のCaviarシリーズです。
  1990年代半ばから後半、当時発売されていたIDEドライブで98に安心してポン付けできるのはこれだけで、Quantum、Maxtorはすぐにデー タがぶっ飛びました。
  これも20年以上前のものですから新品での入手は絶望的で、ポン付けですぐ動くものは絶滅寸前と言っていいでしょう。
  それでも手段はいくつかあります。

  ①パラレル接続のIDEドライブを4.3GB以下に容量制限して接続する。
   必要なもの:マザボに直結できるパラレルIDE端子を持つWindowsPC(IDE-SATA変換でSATAマザーに接続で代用可)と容 量制限ソフトウェア(HDAT2、MHDDなど)
   E-IDE対応でジャンパピンで4.3GB以下に設定できるドライブは、ジャンパピン設定だけでそのまま使えます。
   USB-IDE変換アダプタで接続した場合、容量制限ソフトウェアがローレベルなHDDパラメータを設定することができません。
  ②SATAドライブを4.3GB以下に容量制限して接続する。
   必要なもの:BX3で動作確認の取れているSATA-IDE変換アダプタとWindowsPCと容量制限ソフトウェア(HDAT2、MHDDなど)
  ③中古で玄人志向「PK98-MISTRESS9」を購入して使う。
   127GB以上のドライブは①と同じく動作する127GBまでに制限する必要があります。SATA-IDE変換があれば容量制限したSATAドライブが 接続できます。
  ④まりもさんのEXIDE486を使わなくなったCバスカードのROMに焼いて使う。
   必要なもの:ROMライター、BIOSROM搭載のCバスカード、BIOSROMと置換可能な書き換え可能な生ROM(28pinならAT28C256 等FLASH型がお勧めです)。
   ROMライターはebayやAliExpressでTL866などが4000円くらいで買えるのでPK98-MISTRESS9を競り合うよりは、適当 なSCSIカード等を買ってROMを焼き込めばいいだけなので結果的に早いです。
   127GB以上のドライブは①と同じく動作する127GBまでに制限する必要があります。SATA-IDE変換があれば容量制限したSATAドライブが 接続できます。
  
  2021年現在、上記対策を施してでもパラレルIDE HDDしか使えない98を維持していきたい方におすすめのものがあります。
SATA-IDE相互変換アダプタ

左の写真のSATA-IDE相互変換アダプタです。
「相互」とある通り、2つあるSATAコネクタがそれぞれIDE-SATAとSATA-IDEの変換ができる代物で、これがあると9801にSATA HDDを接続するにも、パラレルIDEドライブをSATAケーブルでAT互換機マザーにつなぐことにも使えます。
パラレル接続のマザーが無くてもこれを使えばSATAマザーで①のパラレルIDE HDDの容量制限ができます。

AliExpressまたはebayで「2 in 1 SATA IDE Adapter」で検索すると$3くらいで販売されています。
国内amazonや楽天でも売っていますが値段は高めです。

98シリーズ用のSATA-IDE変換で動作確認が取れている玄人志向のSATAD-IDEが販売終了したら、それ以降動作確認が取れるものとなるとこれに な ると思います。
ただし、これは中華製で手ハンダ作業が酷いものが混じるので、自分でハンダ修正できない方は、数個まとめ買いをお勧めします。



・フラッシュメモリ機器によるHDD代替
  9801 IDEドライブ化できるCFカードフラッシュメモリは最近どんどん安くなり、変換アダプタでHDDの代わりに使えるものもちらほらと見かけます。
  速さも9801のHDDなどよりずっと早く、消費電力も少なく音もしません。
  が、欠点として、書き込んだデータは最悪の環境だと3週間程度しか保証されない、条件が良くとも10年程度が限度、メモリセルが故障すると部分的な復旧す らできない状態に陥ることがあるなど弱点もあります。
  バックアップありきで運用するのがフラッシュメモリ機器、と言えます。

  BX3はCF-IDE変換によるHDD代替が難しい機種の一つです。
  他の98では動くCFカードも相性が出やすく、動いたように見えてデータが壊れることが多発します。
  また、4.3GBの壁を越えない4GB未満のCFカードは廃番のものが増えました。
  国内メーカーで先人により動作が確認できていたBuffaro、GreenHouse、Hagiwaraの4GB以下の新規入手は絶望的です。
  Transcend、SanDiskで2021年現在入手できる一般用CFは相性問題でまともに動作しませんでした。
  そこで、ebayやAliExpressで入手できる中華製SLC採用CFを試してみました。
  写真左の青いCFはMemoryPartner.com製、中身が産業用CFでほぼ完璧に動作しました。
  接続して内部情報を読みだしたところ欧州企業のデータが出てきたので、中古CFをメモリだけ交換したリワーク品だと思われます。
  (ちなみに後日同じデザインでSLCメモリ搭載をうたうMemoryPartner.com製の16GBを入手してみましたが、コントローラチップが不明 で、4つ目のパーティションを切っている最中にフォーマット速度が遅くなる現象が出ました。
  対応コマンドも4GBのものと一致せず、寄せ集めの産業CFのメモリ・シール貼り替えのリワーク品疑惑がますます高まりました。)
  写真右のRWWSSKの物は、容量の半分ほどフォーマットしたところでフォーマットの速度が極端に遅くなり、それ以降のパーティション作成はできませんで した。
  Transcendのものと似た症状です。
  また、連続したデータの読み出しでエラーが発生しました。
  上記のように、数枚買っただけでこのザマです。BX3でCFを使うのはかなりのバクチです。
  古いIDE規格まで網羅した産業用CFなら相性は少ないと思われますが、まともに買うと結構な価格します。そして、産業用だからと言って相性問題が発生し ないとは言えないのです。
  CFカードは、そのままHDDのように使えるとは言っても、HDDのように容量制限ができませんので、4.3GBの容量の壁を突破していない場合、容量の 小さな使えるCFはもう入手困難です。
  正直な話、CFカードをこれから先代替として使っていくのはどんどん難しくなっていくと思われます。

  廃れゆくCFと異なり、SDカードは規格も進化して相当な大容量化を成し遂げていますが、反面9801に使えるような数GBのSDカードは減っていま す。
  また現在現役でSDカードをIDEに変換する中華アダプタで今出回っているものは中身がSD-CF変換で、98のMS-DOSでは使えません。
  もうこれでもかってくらい、どれを買っても搭載チップ、ファームウェアが同じです。
  FAT32以降のMBRの情報を読みに行ってそこから変換パラメータを作って動作するらしく、98DOSフォーマットだとデータが壊れます。
  日本企業が監修したSDをIDEに変換するアダプタには、使えるものも存在します。
  が、時代的にSDHC以降のSDカードへの対応が怪しいのと、使えたとしても最近のSDカードは低価格化でちょっと困ったFLASHメモリチップが採用さ れています。
  SLCであれば1セルあたり10~100万回書き換え可能ですが、最近の格安FLASHチップはTLC、QLCなどが出てきて書き換え回数の保証が 1000回以下のものがあります。
  また、電荷の保持年数も数年と短いので、数年おきにバックアップからの書き直しが必須です。
  フラッシュメモリ機器でHDD置き換えを狙う方は、ちょっと高いですがTLCメモリ搭載のCF・SDなどを購入し、壊れても書き戻しができるようバック アップを必ず用意して運用しましょう。
  環境放射線でのデータ化けなんかを考慮すると、FLASHメモリ機器で日常使いのシステムデータなどを入れての運用はお勧めしません。
  どんなメディアを使うにしろ、HDD、Blu-Rayなどの複数異種メディアにバックアップを取りつつ、利用することをお勧めします。  

  現在、M.2やS-ATA等様々な端子のSSDをパラレルIDEに変換するアダプタが探せば出てきますが、試していません。
  問題になるとすれば、これら最新のSSDが古いパラレルIDEへの対応をどこまでまじめにやっているか、って部分とかでしょうか。
  購入して失敗するには価格が高く、またターゲットとなるSSDの容量が小さすぎて流用もできないのでちょっと手が伸びない領域です。


・IDE接続のMOドライブ
  I/Oデータ製のIDE接続のMOドライブは、なぜかBX3のみ「Slave」設定にするようマニュアルにあります。
  使用されているドライブは富士通製で、MCB~MCF型番まで付属のASPIドライバで認識、読み書きが可能なのは確認できました。
  540MBメディアを使っていても通常の方法ではMOから起動はできません。
  まりもさんのEXIDE486を使用して、ファーストIDEにCFカード(容量に関係なく)や4.3GBを超えるHDDドライブを接続していると起動時 ASPIドライバの読み込みで数十秒固まります。
  フロッピーから起動したときは該当ドライブがつながっている状態でASPIドライバを読み込ませてもこの固まる現象は起きないので、純正準拠以外のドライブか ら起動した時のみ発生する現象のようです。


・RTC用バッテリー
  9801 RTC維持バッテリー NiMH化BX3 のRTC(時計カレンダー)維持用のバッテリーはリチウム二次電池のML2430 とJST PHR-3コネクタの組み合わせです。
  BX3本体に接続して空っぽから満充電まで持って行こうとすると100時間以上かかるので注意しましょう。
  新品を購入して電圧が2V以下の物は長期在庫品、ゼロ近い物は充電しても復活しない場合があります。
  電源を余り入れないせいで充電しきらずしょっちゅうRTCが狂う場合、純正リチウムを諦めて、次のものをつなぎましょう。
  前もって充電した単三ニッケル水素2本を直列にして、Vf=0.4~0.5Vくらいのショットキーバリアダイオードをかまして充電されないようにしてつな ぎます。
  RTC維持のような微小電流だと、実際にはVfはもっと低い数値になり、充電したての電池だと2.4~5Vくらい出るはずです。
  心配性な方は電流制限用にさらに180~330Ωくらいの抵抗を直列に入れましょう。
  ダイオードの逆電流で多少充電方向に電流が流れたところでニッケル水素の維持電流にもならないので、リチウム1次電池+ダイオードのような爆発の心配はあ りません。
  RTCは2.1V前後まで動作するので年単位で充電はいらなくなります。
  何故わざわざ充電できる2次電池を充電しない仕様で使うかと言えば、98側の充電電流を供給している部分への負荷を避けるためです。
  長期放置してすっからかんになった電池は、オリジナルのリチウムは容量が少ないので短時間で充電電流が減るでしょうが、ニッケル水素などは長期間放置して久し ぶりに電源を入れた場合、
  電池の端子電圧が上がるまで容量が大きい分長時間にわたり充電回路に本来あり得ない負荷をかける可能性があります。
  何せ、BX3のリチウムイオン二次電池の為に設計された充電回路を、たとえそれが抵抗一本で分圧して電圧を作っているような回路でも簡単に流用できるとは断言 できないので。
  別のリビジョンの基板があって、使えると思ってつないだら燃えたとかシャレになりません。
  時計カレンダーの維持だけで言うなら一次電池のアルカリ電池やマンガン電池でも使えますが、RTCの動作のような微小電流でのアルカリ電池の使用は、国産最新 電池でも液漏れを起こしやすいので避けた方がよ いでしょう。
  使うなら、液漏れしても垂れないよう受け皿を敷くかケースに入れるかした方が無難です。


・モニタ接続
  98専用のブラウン管モニタもいい加減死に始める昨今、そろそろ代わりのモニタをお探しではないでしょうか。
  2021年現在、Amazonや楽天で1500円、AliExpressで900円くらいでVGA-HDMI変換が 購入できます。
  これら変換器は、AT互換機のVGAコネクタ(miniDsub15)、ステレオミニジャック入力、電源としてminiUSBを備え、HDMIに映像・音 声 を出力してくれるものです。
  2機種ほど購入してみましたが、どちらも手持ちの液晶モニタで映像表示が可能でした。
  ただし、31KHzで接続した場合、画面上と右が少し切れて表示されます。
  24KHzだと画面全てが表示されました。
  詳細が欲しい話が出たので下に24KHzと31KHzでの画像の映り方の写真を載せます。
  が、これはアダプタではなくモニタの仕様の可能性もあるのであくまで参考程度に。
  同期周波数がおかしな数字になっているので、液晶によっては表示できないものもあるかもしれません。
  挙動が一緒なので形が違っても中身は同じチップを使っているものと思われます。
  下の画面画像は2560*1440の液晶での表示です。
  640*400の倍数の解像度ではないので、表示された映像はピントが合っているにもかかわらず文字の輪郭がボケて見えるのが分かると思います。
  9801用に1280*800、1920*1200のモニタを買うぞ!という方はぜひ映り具合を教えてください。

  追記:この二つの変換器は、接続するとかなりのノイズを出します。サウンドボードに聞こえるレベルで矩形波のデジタル信号が乗ってきますので音声関連にう るさい方はご注意を。
  
AliExpress販売中VGA-HDMI変換 A 2021   AliExpress販売中VGA-HDMI変換 B 20219801VGA-HDMI変換 滲み
9801VGA-HDMI変換 31KHz
9801VGA-HDMI変換 24KHz
  VGA-HDMI変換を98で使用するには、98のアナログRGB(Dsub15)からVGA(miniDsub15)への変換が必要です。
  変換の自作は以下のような接続で。
  98アナログRGB  VGA
     1   -   1
     3   -   2
     5   -   3
    14    -   13
    15    -   14
   2&4&6   -  4&6&7&8&10&11
  この変換で直接VGA接続できるモニタも、徐々に減っていくと思われます。


もどりゅ


滅多に見ませんが、何か連絡があるなら下記に書き込むと返事をすることがあるかもしれません。
あまり期待しないでください。
BBS

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